2022.09.29研究会について |
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令和4年度第3回研究会を下記の通りオンラインで開催いたしました。
日 時 2022年11月17日(木) 13:30~15:30開催方法 Zoomミーティングによるオンライン開催 演 題 「カドミウムを吸収しないイネの開発と実用化に向けた挑戦」 講 師 石川 覚氏 (農研機構農業環境研究部門・千葉大学大学院客員教授) 説明要旨 カドミウムは低濃度であっても、食品を通して長期間にわたり摂取することで腎機能障害などの健康被害リスクを引き起こす可能性がある。特にコメはカドミウムの主要な摂取源であるため、コメのカドミウム濃度を極力減らすことは人の健康に寄与すると思われる。本講演では、イネのカドミウム集積に関わる分子機構を説明し、我々が開発したカドミウムを吸収しない水稲品種「コシヒカリ環1号」の誕生秘話を紹介する。さらにDNAマーカーを用いた新たなカドミウム低吸収性品種の育成状況や実用化に向けた問題点などを述べながら、研究を紹介したい。 |
2022.09.29研究会について |
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令和4年度第2回研究会を下記の通りオンラインで開催いたしました。
内容については年刊肥料科学44号に掲載予定です。当財団法人が刊行している「肥料科学」を無料で配布しています。 ご希望の方はメールでご連絡ください。 日 時 2022年9月21日(水) 13:30~15:30 開催方法 Zoomミーティングによるオンライン開催 演 題 「イネの光合成機能の改善とシンク拡大に関する研究」 講 師 牧野 周氏 (東北大学名誉教授・大学院農学研究科学術研究員) 説明要旨 緑の革命と呼ばれたイネとコムギの短稈育種の成功は、窒素の多量施肥に依存したソース能強化とシンク拡大によるものであった。作物の増産のためには窒素施肥は必須である。しかし、生態系や環境への負荷を考えると、多量の施肥に依存するのではなく、作物側の窒素の利用効率の向上が不可欠となる。ここでは、光合成の炭酸固定酵素であるRubiscoの量的改変による光合成機能の改善ならびに可食部シンクの拡大に基づく戦略で、窒素の利用効率の高い超多収イネの作出を目指す研究を紹介したい。 |
2022.06.02研究会について |
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令和4年度第1回研究会を下記の通りオンラインで開催いたしました。
内容については年刊肥料科学44号に掲載予定です。当財団法人が刊行している「肥料科学」を無料で配布しています。 ご希望の方はメールでご連絡ください。 日 時 2022年7月15日(金) 13:30~16:00 開催方法 Zoomミーティングによるオンライン開催 演 題 「肥料制度の見直しと農業への影響」 講 演 1 「肥料制度の見直しと肥料の自主的な品質管理の重要性」 講 師 瀧山 幸千夫氏 (農林水産省 消費・安全局農産安全管理課 肥料企画班) 説明要旨 令和元年12月に改正肥料法を公布したところです。主な改正内容としては、農地土壌の土づくりの促進と国内未利用資源の肥料利用の促進に資するための、表示制度の見直しや、原料規格や原料帳簿など、原料管理制度の導入を行ったところです。 また、今般の見直しにより、肥料業者自身による原料管理の義務付けや、品質管理を前提とした届出肥料の緩和を行うなど、今後は肥料生産事業者自らが行う品質管理が益々重要になっているところであり、法律の題名を「肥料の品質の確保等に関する法律」に改正したところです。 本講演では、肥料制度の見直しや品質管理の重要性について説明をさせて頂きます。 講 演 2 「肥料制度見直しと堆肥等国内資源の粒状加工による利用拡大について」 講 師 浅野 智孝氏 (朝日アグリア株式会社 理事 肥料開発担当) 説明要旨 2020年12月施行の「肥料の配合規制の見直し」により、堆肥等の特殊肥料や土壌改良資材などを普通肥料と混合し造粒加工等が可能となる指定混合肥料が設定されました。これにより堆肥等の国内有用資源の利用促進が期待されておりますが、粒状加工等の対応にはさまざまな課題があります。また粒状加工による複合化により、今までバラバラに散布されていた資材が一度の散布で施肥可能となりましたが、実際の機械散布への対応性や施用された資材の土づくり機能がどうなのかについて各試験が開始されているところです。 |
2022.02.20『肥料科学』刊行 |
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『肥料科学』第43号(2021年)が刊行されました。
2022年2月20日に『肥料科学』第43号(2021年)が刊行されました。 2021年度の研究会で行われた講演会や寄稿された報文の内容が掲載されています。詳しくは、「肥料科学(年刊)のご紹介」のページをご覧ください。 |
2021.11.12研究会について |
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令和3年度第2回研究会を下記の通りオンラインで開催いたしました。
内容については年刊肥料科学43号に掲載しています。当財団法人が刊行している「肥料科学」を無料で配布しています。 ご希望の方は、メールでご連絡ください。 日 時 2021年11月11日(木) 13:30~15:00 開催方法 Zoomミーティングによるオンライン開催 演 題 「土壌肥沃度と微生物と地球環境」 講 師 犬伏和之氏(千葉大学名誉教授 グランドフェロー 大学院園芸学研究院 特任研究員) 講演要旨 これまでの水田などでの自らの研究を振り返り、肥沃度と土壌微生物の関係、地球環境との相互作用などについて残された課題を考えてみたい。大正時代から続いていた農事試験場の長期肥料連用水田の乾土効果とクロロフィル様物質の関係、国際稲研究所の土壌微生物バイオマス測定と水稲吸収窒素の関係、英国ロザムステッド試験場で1843 年から続く長期肥料連用小麦畑土壌のATP やバイオマス窒素,炭素の水田土壌との比較、水田からのメタン放出、開放系大気CO2 増加試験や、熱帯アジアや寒冷地泥炭中あるいはアラスカの永久凍土中のメタン生成と酸化に関わる微生物の多様性や温度感受性などを紹介し、ご意見を賜りたい。 |
2021.07.12研究会について |
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令和3年度第1回研究会を下記の通りオンラインで開催いたしました。
内容については年刊肥料科学43号に掲載予定です。日 時 2021年7月15日(木) 13:30~15:00 開催方法 Zoomミーティングによるオンライン開催 演 題 「低投入農業に向けた植物側からのアプローチ ―オオムギ葉緑体の鉄節約戦略―」 講 師 樋口 恭子 氏(東京農業大学教授) 講演要旨 光合成には大量の鉄が必要ですが、オオムギは他の植物より葉の鉄含量が少なくても光合成を持続する適応機構を発達させていることが分かってきました。 この機構が育種の過程で選抜されてきたことについても紹介します。 |
2021.02.20『肥料科学』刊行 |
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『肥料科学』第42号(2020年)が刊行されました。
2021年2月20日に『肥料科学』第42号(2020年)が刊行されました。 2020年度の研究会で行われた講演会等の内容が掲載されています。 詳しくは、「肥料科学(年刊)のご紹介」のページをご覧ください。 |
2020.12.22研究会について |
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2020年度の研究会を開催しました
本年度の第1回研究会を下記の通りオンラインで開催いたしました。内容については年刊肥料科学42号に掲載いたしましたのでご覧ください。 日 時 2020年12月22日(火) 13:30~15:00 開催方法 Zoomミーティングによるオンライン開催(先着30名まで) 演 題 「バチルスバイオ肥料キクイチの開発と農業生産現場への実装 ―その微生物学的および農業利用上の特性に関して―」 横山 正 氏(東京農工大学名誉教授、現福島大学食農学類特任教授) 参加方法 (1)公益財団法人肥料科学研究所宛(aizaki@hiryokagaku.or.jp)に参加希望者の氏名およびE-mailアドレスを記載し、電子メールの件名を【肥料科学研究会】としてお送りください。 (2)肥料科学研究所より受信確認を返信しますので、受信確認メールが届かない場合は担当へメールでお問い合わせください。 (3)参加登録された方へ12月10日(木)~12月15日(火)を目途にオンライン参加に関するご案内のメールをお送りします。 (4)12月8日(火)で締め切りました。 講演要旨 現在、地球環境には大きな負荷がかかっており、世界中でSDGsへの取り組みがなされている。私たちは2008年頃から、地球環境にフレンドリーで持続的な農業生産に貢献できる土壌微生物を利用して作物生育を促進できるバイオ肥料の開発研究を始めた。当初の開発目標は施用さ れた化学肥料の利用効率をあげて、その使用量の削減を目標にしていた。バイオ肥料は生きた微生物を泥炭等のキャリアに混和したもので、根粒菌のバイオ肥料は世界中で利用されている。一方、当時はイネ用のバイオ肥料は日本には存在していなかった。イネに微生物を接種して生育促進等の効果を持たせ、最終収量を増加させることは、最初は私自身も、ほんとにそのようなことが起きるのかと科学的には懐疑的であった。しかし、アジア等の様々な試験や研究者の話を聞くうちに、研究として面白いかもしれないと考えて、手探りでイネ用のバイオ肥料の研究を開始した。今回の発表では、どのように研究を行ったかの概要、開発したバチルスバイオ肥料キクイチ(ゆめバイオとして製品化された)の特性、開発の大変だったこと等に関して話していく。 |
2020.02.20『肥料科学』刊行 |
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『肥料科学』第41号(2019年)が刊行されました。
2020年2月20日に『肥料科学』第41号(2019年)が刊行されました。2019年度の2回の研究会で行われた講演会等の内容が掲載されています。 詳しくは、「肥料科学(年刊)のご紹介」のページをご覧ください。 |
2019.10.29研究会について |
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2019年度第2回研究会が開催されました。
演題 「水田土壌の硫黄肥沃度をどう評価するか」講師 菅野 均志氏 (東北大学大学院農学研究科・准教授) 日時 2019年10月 29日(火) 14時~16時 場所 日本農業研究会館 1階会議室 講演内容概要(講師提供) 硫黄(S)は植物の必須元素であるが、日本では作物のS欠乏は稀であると考えられてきた。しかしながら、近年水稲のS不足に起因するとみられる生育抑制の事例がいくつか報告されている。水稲のS欠乏は、葉の黄化、草丈の低下、分げつの減少等の症状としてあらわれるが、土壌の可給態Sとして評価される硫酸態Sの多寡のみでこの症状を説明することができない場合がある。 本講演では、水田土壌のS肥沃度に関して演者らがこれまで検討してきた (1)水稲の石膏施与への応答と土壌の可給態Sとの関係、(2)難溶性硫化物形成を考慮したS肥沃度評価の可能性、(3)水田土壌の可給態Sの実態等について詳しく解説する。 |
2019.07.17研究会について |
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2019年度第1回研究会が開催されました。
演題 「菌根共生の農業利用の可能性を探る」講師 齋藤 雅典 氏(科学技術振興機構、前東北大学大学院農学研究科教授) 日時 2019年7月17日(火) 14時~16時 場所 日本農業研究会館 1階会議室 講演内容概要(講師提供) アーバスキュラー菌根菌(VA菌根菌とも呼ばれる)は植物の根に共生し、リンの吸収を促進し、植物生育を改善する。そのため、アーバスキュラー菌根菌の農業資材としての利用が進められている。しかし、農業資材として普及しているとは言い難い。一方、地球史的にみるとアーバスキュラー菌根共生は、陸上植物の登場とともに共進化をしてきた古くかつ普遍的な共生系であり、基礎生物学的な面から関心が高まっている。本講演では、アーバスキュラー菌根共生の基礎から応用まで、演者のこれまでの研究を振り返りつつ、解説する。 |
2019.02.20『肥料科学』刊行 |
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『肥料科学』第40号(平成30年)が刊行されました。
2019年2月20日に『肥料科学』第40号(平成30年)が刊行されました。平成30年度の2回の研究会で行われた講演の内容などが掲載されています。 詳しくは、「肥料科学(年刊)のご紹介」のページをご覧ください。 |
2018.10.23研究会について |
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平成30年度第2回研究会が開催されました。
演題 「植物の栄養吸収の制御機構の解明と植物の栄養特性改善の可能性」講師 藤原 徹 氏(東京大学教授 大学院農学生命科学研究科 植物栄養・肥料学研究室) 日時 平成30年 10月23日(火) 14時~16時 場所 日本農業研究会館 1階会議室 東京都千代田区紀尾井町3-29 講演内容概要(講師提供) 植物の栄養吸収機構の理解は近年大きく進んでおり、講演者らもホウ素を中心に栄養吸収に関わる輸送体の同定、栄養条件に応じた発現制御機構の解明や、数理モデルを用いた輸送の予測を進めている。これまでの研究の概要をお話し、このような研究の農業への応用の可能性について議論したい。 |
2018.07.10研究会について |
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平成30年度第1回研究会が開催されました。
演題 「資源循環型農業のための家畜ふん堆肥中肥料成分の有効利用」講師 加藤 直人氏(農研機構農業環境変動研究センター 有害化学物質研究領域長) 日時 平成30年 7月10日(火) 14時~16時 場所 日本農業研究会館 1階会議室 講演内容概要(講師提供) 資源循環型、環境保全型の農畜産業の推進には家畜ふん堆肥中肥料成分の有効利用が欠かせない。しかし、有効利用するためには、肥効の明確化、養分バランスの改善、施用時期の最適化、散布作業性の向上、広域流通への対応など、様々な技術的課題があった。講演では、こうした問題点を整理しながら、その解決を図るために取り組まれてきた研究例、および近年登場した混合堆肥複合肥料について紹介する。 |
2018.02.20『肥料科学』刊行 |
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『肥料科学』第39号(平成29年)が刊行されました。
2018年2月20日に『肥料科学』第39号(平成29年)が刊行されました。 |
2017.10.17研究会について |
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平成29年度第2回研究会が開催されました。
演題 「土壌の有機態窒素の分子実体を巡って」講師 松永 俊朗 氏(東京農業大学教授(元農研機構)) 日時 平成29年10月17日(火) 14時~16時 場所 日本農業研究会館 1階会議室 講演内容概要(講師提供) 土壌の有機態窒素は、窒素肥沃度の主体として重要であることはもちろん、地圏における有機物(炭素)循環の点からも注目されている。本講演では、その土壌 有機態窒素の分子化学形態について、まず、これまでの研究を史的にレビューし た後、演者らが近年行ってきた、サイズ排除高速液体クロマトグラフィー/化学 発光窒素検出法による有機態窒素のキャラクタリゼーションの結果を中心に紹介 する。さらに、土壌の有機態窒素の化学形態についての先駆的仕事を行った、明治期の土壌肥料学者鈴木重禮についても話題提供したい。 |
2017.07.11研究会について |
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平成29年度第1回研究会が開催されました。
演題 「アフリカサバンナにおける農業開発-土壌肥料研究の現状と問題点-」講師 伊藤 治 氏(元国連大学サステイナビリティ高等研究所) 日時 平成29年7月11日(火) 14時~16時 場所 日本農業研究会館 1階会議室 講演内容概要(講師提供) サバンナはケッペンの気候区分において定義されている用語であり、南米やアフリカ大陸に広く分布している。南米のサバンナは現地で、セラードと呼ばれ、土壌の酸性度が高い不毛の地とみなされていたが、ブラジル政府とJICAとの長期にわたるプロジェクトにより、高い生産性を有する農業地帯へと変貌した。 |
2022.09.29研究会について |
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令和4年度第3回研究会を下記の通りオンラインで開催いたしました。
日 時 2022年11月17日(木) 13:30~15:30開催方法 Zoomミーティングによるオンライン開催 演 題 「カドミウムを吸収しないイネの開発と実用化に向けた挑戦」 講 師 石川 覚氏 (農研機構農業環境研究部門・千葉大学大学院客員教授) 説明要旨 カドミウムは低濃度であっても、食品を通して長期間にわたり摂取することで腎機能障害などの健康被害リスクを引き起こす可能性がある。特にコメはカドミウムの主要な摂取源であるため、コメのカドミウム濃度を極力減らすことは人の健康に寄与すると思われる。本講演では、イネのカドミウム集積に関わる分子機構を説明し、我々が開発したカドミウムを吸収しない水稲品種「コシヒカリ環1号」の誕生秘話を紹介する。さらにDNAマーカーを用いた新たなカドミウム低吸収性品種の育成状況や実用化に向けた問題点などを述べながら、研究を紹介したい。 |
2022.09.29研究会について |
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令和4年度第2回研究会を下記の通りオンラインで開催いたしました。
内容については年刊肥料科学44号に掲載予定です。当財団法人が刊行している「肥料科学」を無料で配布しています。 ご希望の方はメールでご連絡ください。 日 時 2022年9月21日(水) 13:30~15:30 開催方法 Zoomミーティングによるオンライン開催 演 題 「イネの光合成機能の改善とシンク拡大に関する研究」 講 師 牧野 周氏 (東北大学名誉教授・大学院農学研究科学術研究員) 説明要旨 緑の革命と呼ばれたイネとコムギの短稈育種の成功は、窒素の多量施肥に依存したソース能強化とシンク拡大によるものであった。作物の増産のためには窒素施肥は必須である。しかし、生態系や環境への負荷を考えると、多量の施肥に依存するのではなく、作物側の窒素の利用効率の向上が不可欠となる。ここでは、光合成の炭酸固定酵素であるRubiscoの量的改変による光合成機能の改善ならびに可食部シンクの拡大に基づく戦略で、窒素の利用効率の高い超多収イネの作出を目指す研究を紹介したい。 |
2022.06.02研究会について |
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令和4年度第1回研究会を下記の通りオンラインで開催いたしました。
内容については年刊肥料科学44号に掲載予定です。当財団法人が刊行している「肥料科学」を無料で配布しています。 ご希望の方はメールでご連絡ください。 日 時 2022年7月15日(金) 13:30~16:00 開催方法 Zoomミーティングによるオンライン開催 演 題 「肥料制度の見直しと農業への影響」 講 演 1 「肥料制度の見直しと肥料の自主的な品質管理の重要性」 講 師 瀧山 幸千夫氏 (農林水産省 消費・安全局農産安全管理課 肥料企画班) 説明要旨 令和元年12月に改正肥料法を公布したところです。主な改正内容としては、農地土壌の土づくりの促進と国内未利用資源の肥料利用の促進に資するための、表示制度の見直しや、原料規格や原料帳簿など、原料管理制度の導入を行ったところです。 また、今般の見直しにより、肥料業者自身による原料管理の義務付けや、品質管理を前提とした届出肥料の緩和を行うなど、今後は肥料生産事業者自らが行う品質管理が益々重要になっているところであり、法律の題名を「肥料の品質の確保等に関する法律」に改正したところです。 本講演では、肥料制度の見直しや品質管理の重要性について説明をさせて頂きます。 講 演 2 「肥料制度見直しと堆肥等国内資源の粒状加工による利用拡大について」 講 師 浅野 智孝氏 (朝日アグリア株式会社 理事 肥料開発担当) 説明要旨 2020年12月施行の「肥料の配合規制の見直し」により、堆肥等の特殊肥料や土壌改良資材などを普通肥料と混合し造粒加工等が可能となる指定混合肥料が設定されました。これにより堆肥等の国内有用資源の利用促進が期待されておりますが、粒状加工等の対応にはさまざまな課題があります。また粒状加工による複合化により、今までバラバラに散布されていた資材が一度の散布で施肥可能となりましたが、実際の機械散布への対応性や施用された資材の土づくり機能がどうなのかについて各試験が開始されているところです。 |
2021.11.12研究会について |
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令和3年度第2回研究会を下記の通りオンラインで開催いたしました。
内容については年刊肥料科学43号に掲載しています。当財団法人が刊行している「肥料科学」を無料で配布しています。 ご希望の方は、メールでご連絡ください。 日 時 2021年11月11日(木) 13:30~15:00 開催方法 Zoomミーティングによるオンライン開催 演 題 「土壌肥沃度と微生物と地球環境」 講 師 犬伏和之氏(千葉大学名誉教授 グランドフェロー 大学院園芸学研究院 特任研究員) 講演要旨 これまでの水田などでの自らの研究を振り返り、肥沃度と土壌微生物の関係、地球環境との相互作用などについて残された課題を考えてみたい。大正時代から続いていた農事試験場の長期肥料連用水田の乾土効果とクロロフィル様物質の関係、国際稲研究所の土壌微生物バイオマス測定と水稲吸収窒素の関係、英国ロザムステッド試験場で1843 年から続く長期肥料連用小麦畑土壌のATP やバイオマス窒素,炭素の水田土壌との比較、水田からのメタン放出、開放系大気CO2 増加試験や、熱帯アジアや寒冷地泥炭中あるいはアラスカの永久凍土中のメタン生成と酸化に関わる微生物の多様性や温度感受性などを紹介し、ご意見を賜りたい。 |
2021.07.12研究会について |
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令和3年度第1回研究会を下記の通りオンラインで開催いたしました。
内容については年刊肥料科学43号に掲載予定です。日 時 2021年7月15日(木) 13:30~15:00 開催方法 Zoomミーティングによるオンライン開催 演 題 「低投入農業に向けた植物側からのアプローチ ―オオムギ葉緑体の鉄節約戦略―」 講 師 樋口 恭子 氏(東京農業大学教授) 講演要旨 光合成には大量の鉄が必要ですが、オオムギは他の植物より葉の鉄含量が少なくても光合成を持続する適応機構を発達させていることが分かってきました。 この機構が育種の過程で選抜されてきたことについても紹介します。 |
2020.12.22研究会について |
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2020年度の研究会を開催しました
本年度の第1回研究会を下記の通りオンラインで開催いたしました。内容については年刊肥料科学42号に掲載いたしましたのでご覧ください。 日 時 2020年12月22日(火) 13:30~15:00 開催方法 Zoomミーティングによるオンライン開催(先着30名まで) 演 題 「バチルスバイオ肥料キクイチの開発と農業生産現場への実装 ―その微生物学的および農業利用上の特性に関して―」 横山 正 氏(東京農工大学名誉教授、現福島大学食農学類特任教授) 参加方法 (1)公益財団法人肥料科学研究所宛(aizaki@hiryokagaku.or.jp)に参加希望者の氏名およびE-mailアドレスを記載し、電子メールの件名を【肥料科学研究会】としてお送りください。 (2)肥料科学研究所より受信確認を返信しますので、受信確認メールが届かない場合は担当へメールでお問い合わせください。 (3)参加登録された方へ12月10日(木)~12月15日(火)を目途にオンライン参加に関するご案内のメールをお送りします。 (4)12月8日(火)で締め切りました。 講演要旨 現在、地球環境には大きな負荷がかかっており、世界中でSDGsへの取り組みがなされている。私たちは2008年頃から、地球環境にフレンドリーで持続的な農業生産に貢献できる土壌微生物を利用して作物生育を促進できるバイオ肥料の開発研究を始めた。当初の開発目標は施用さ れた化学肥料の利用効率をあげて、その使用量の削減を目標にしていた。バイオ肥料は生きた微生物を泥炭等のキャリアに混和したもので、根粒菌のバイオ肥料は世界中で利用されている。一方、当時はイネ用のバイオ肥料は日本には存在していなかった。イネに微生物を接種して生育促進等の効果を持たせ、最終収量を増加させることは、最初は私自身も、ほんとにそのようなことが起きるのかと科学的には懐疑的であった。しかし、アジア等の様々な試験や研究者の話を聞くうちに、研究として面白いかもしれないと考えて、手探りでイネ用のバイオ肥料の研究を開始した。今回の発表では、どのように研究を行ったかの概要、開発したバチルスバイオ肥料キクイチ(ゆめバイオとして製品化された)の特性、開発の大変だったこと等に関して話していく。 |
2019.10.29研究会について |
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2019年度第2回研究会が開催されました。
演題 「水田土壌の硫黄肥沃度をどう評価するか」講師 菅野 均志氏 (東北大学大学院農学研究科・准教授) 日時 2019年10月 29日(火) 14時~16時 場所 日本農業研究会館 1階会議室 講演内容概要(講師提供) 硫黄(S)は植物の必須元素であるが、日本では作物のS欠乏は稀であると考えられてきた。しかしながら、近年水稲のS不足に起因するとみられる生育抑制の事例がいくつか報告されている。水稲のS欠乏は、葉の黄化、草丈の低下、分げつの減少等の症状としてあらわれるが、土壌の可給態Sとして評価される硫酸態Sの多寡のみでこの症状を説明することができない場合がある。 本講演では、水田土壌のS肥沃度に関して演者らがこれまで検討してきた (1)水稲の石膏施与への応答と土壌の可給態Sとの関係、(2)難溶性硫化物形成を考慮したS肥沃度評価の可能性、(3)水田土壌の可給態Sの実態等について詳しく解説する。 |
2019.07.17研究会について |
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2019年度第1回研究会が開催されました。
演題 「菌根共生の農業利用の可能性を探る」講師 齋藤 雅典 氏(科学技術振興機構、前東北大学大学院農学研究科教授) 日時 2019年7月17日(火) 14時~16時 場所 日本農業研究会館 1階会議室 講演内容概要(講師提供) アーバスキュラー菌根菌(VA菌根菌とも呼ばれる)は植物の根に共生し、リンの吸収を促進し、植物生育を改善する。そのため、アーバスキュラー菌根菌の農業資材としての利用が進められている。しかし、農業資材として普及しているとは言い難い。一方、地球史的にみるとアーバスキュラー菌根共生は、陸上植物の登場とともに共進化をしてきた古くかつ普遍的な共生系であり、基礎生物学的な面から関心が高まっている。本講演では、アーバスキュラー菌根共生の基礎から応用まで、演者のこれまでの研究を振り返りつつ、解説する。 |
2018.10.23研究会について |
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平成30年度第2回研究会が開催されました。
演題 「植物の栄養吸収の制御機構の解明と植物の栄養特性改善の可能性」講師 藤原 徹 氏(東京大学教授 大学院農学生命科学研究科 植物栄養・肥料学研究室) 日時 平成30年 10月23日(火) 14時~16時 場所 日本農業研究会館 1階会議室 東京都千代田区紀尾井町3-29 講演内容概要(講師提供) 植物の栄養吸収機構の理解は近年大きく進んでおり、講演者らもホウ素を中心に栄養吸収に関わる輸送体の同定、栄養条件に応じた発現制御機構の解明や、数理モデルを用いた輸送の予測を進めている。これまでの研究の概要をお話し、このような研究の農業への応用の可能性について議論したい。 |
2018.07.10研究会について |
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平成30年度第1回研究会が開催されました。
演題 「資源循環型農業のための家畜ふん堆肥中肥料成分の有効利用」講師 加藤 直人氏(農研機構農業環境変動研究センター 有害化学物質研究領域長) 日時 平成30年 7月10日(火) 14時~16時 場所 日本農業研究会館 1階会議室 講演内容概要(講師提供) 資源循環型、環境保全型の農畜産業の推進には家畜ふん堆肥中肥料成分の有効利用が欠かせない。しかし、有効利用するためには、肥効の明確化、養分バランスの改善、施用時期の最適化、散布作業性の向上、広域流通への対応など、様々な技術的課題があった。講演では、こうした問題点を整理しながら、その解決を図るために取り組まれてきた研究例、および近年登場した混合堆肥複合肥料について紹介する。 |
2017.10.17研究会について |
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平成29年度第2回研究会が開催されました。
演題 「土壌の有機態窒素の分子実体を巡って」講師 松永 俊朗 氏(東京農業大学教授(元農研機構)) 日時 平成29年10月17日(火) 14時~16時 場所 日本農業研究会館 1階会議室 講演内容概要(講師提供) 土壌の有機態窒素は、窒素肥沃度の主体として重要であることはもちろん、地圏における有機物(炭素)循環の点からも注目されている。本講演では、その土壌 有機態窒素の分子化学形態について、まず、これまでの研究を史的にレビューし た後、演者らが近年行ってきた、サイズ排除高速液体クロマトグラフィー/化学 発光窒素検出法による有機態窒素のキャラクタリゼーションの結果を中心に紹介 する。さらに、土壌の有機態窒素の化学形態についての先駆的仕事を行った、明治期の土壌肥料学者鈴木重禮についても話題提供したい。 |
2017.07.11研究会について |
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平成29年度第1回研究会が開催されました。
演題 「アフリカサバンナにおける農業開発-土壌肥料研究の現状と問題点-」講師 伊藤 治 氏(元国連大学サステイナビリティ高等研究所) 日時 平成29年7月11日(火) 14時~16時 場所 日本農業研究会館 1階会議室 講演内容概要(講師提供) サバンナはケッペンの気候区分において定義されている用語であり、南米やアフリカ大陸に広く分布している。南米のサバンナは現地で、セラードと呼ばれ、土壌の酸性度が高い不毛の地とみなされていたが、ブラジル政府とJICAとの長期にわたるプロジェクトにより、高い生産性を有する農業地帯へと変貌した。 |
2022.02.20『肥料科学』刊行 |
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『肥料科学』第43号(2021年)が刊行されました。
2022年2月20日に『肥料科学』第43号(2021年)が刊行されました。 2021年度の研究会で行われた講演会や寄稿された報文の内容が掲載されています。詳しくは、「肥料科学(年刊)のご紹介」のページをご覧ください。 |
2021.02.20『肥料科学』刊行 |
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『肥料科学』第42号(2020年)が刊行されました。
2021年2月20日に『肥料科学』第42号(2020年)が刊行されました。 2020年度の研究会で行われた講演会等の内容が掲載されています。 詳しくは、「肥料科学(年刊)のご紹介」のページをご覧ください。 |
2020.02.20『肥料科学』刊行 |
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『肥料科学』第41号(2019年)が刊行されました。
2020年2月20日に『肥料科学』第41号(2019年)が刊行されました。2019年度の2回の研究会で行われた講演会等の内容が掲載されています。 詳しくは、「肥料科学(年刊)のご紹介」のページをご覧ください。 |
2019.02.20『肥料科学』刊行 |
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『肥料科学』第40号(平成30年)が刊行されました。
2019年2月20日に『肥料科学』第40号(平成30年)が刊行されました。平成30年度の2回の研究会で行われた講演の内容などが掲載されています。 詳しくは、「肥料科学(年刊)のご紹介」のページをご覧ください。 |
2018.02.20『肥料科学』刊行 |
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『肥料科学』第39号(平成29年)が刊行されました。
2018年2月20日に『肥料科学』第39号(平成29年)が刊行されました。 |